WOOD.ALC西日本普及協会

wood-alcWOOD.ALCのサンプル写真

西日本WOOD.ALC普及協会のフライヤーができました(PDF形式)

 

1. WOOD.ALC西日本普及協会について

 一般社団法人 地域創生連携活動コンソーシアム「林業地連携ラボ・小国町ブース」は、「WOOD.ALC西日本普及協会」の西日本における活動・普及拠点としての役割も果たしております。
 WOOD.ALC西日本普及協会は、弊社団法人の社員である熊本県小国町森林組合が事務局となり、日本WOOD.ALC協会が国産木材を利用して開発した”WOOD.ALC”(準耐火材)の製造と建築工法を西日本を中心に普及させることを目的として、2016年6月に設立されました。

 協会の事務局本部の住所などの連絡先は以下の通りとなります。

・住所:
〒869-2501 熊本県阿蘇郡小国町宮原1802-1
熊本県小国町森林組合内 WOOD.ALC西日本普及協会事務局
・TEL:0967-46-2411
・事務局担当者E-mail: yanase@ogunisugi.com
・Webページ:http://ogunisugi.com/traders/wood-alc
・Facebookページ:https://www.facebook.com/walc.west/

 大阪の活動拠点は、地域創生連携活動コンソーシアム事務局が兼担しております。

2. WOOD.ALCを知るために:木質厚板パネルについて

 WOOD.ALCは、近年になって注目を浴びているCLTやLVLと並ぶ「第3のパネル」と呼ばれていますが、まだまだその知名度がCLTなどと比較すると高いとは言えません。そのようなWOOD.ALCを知っていただく上で、まずはCLTやLVLとその特徴を比較してみましょう。

(1) CLT (Cross Laminated Timber)
・構造:ひき板(ラミナ)を並べた層を、それぞれの層が互いに直行するように積層接着している。これにより、高強度の大判パネルを作ることができる。
・原料:スギ、ヒノキ、カラマツ
・耐火・耐力壁性能:準耐火構造(3階まで)、1時間耐火構造(4階まで)、2時間耐火構造(5階以上)、耐力壁として使用可能

(2) LVL (単板積層材; Laminated Veneer Lumber)
・構造:厚さ3mmの薄いラミナを積層している。材料としての歴史は古く、第二次世界大戦中の飛行機の木製部材などをルーツとしており、戦後も「平行合板」という名前で生産されてきた歴史を持っている。
※LVLと集成材の大きな違いは、積層させる板の厚みにあります。前者では厚さ数ミリ単位、後者では1センチ以上の厚みの木材を積層します。
・原料:スギ、アカマツ、カラマツ
・耐火・耐力壁性能:1時間準耐火耐力壁、1時間準耐火非耐力壁、30分準耐火非耐力壁

(3) WOOD.ALC (外壁用木製集成材; Wood Attain Low Carbon Society)
・構造:厚さ30~45mmのラミナ(間柱)を積層接着し、厚板パネル化した集成材であり、鉄骨造との相性がとても良い(現在は45mmラミナの10枚貼りが主流となっており、30mmの15枚から製造可能)。
・原料:スギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツ
・耐火・耐力壁性能:1時間準耐火非耐力壁

3-Panels-sCLT、LVLとWOOD.ALCのカットサンプル

 近年、最も注目を集めるのはCLTだと言えるでしょう。1995年頃にオーストリアで登場して以来、その高強度の大判パネルを用いた建築は、世界的に木質材料を用いた新たなソリューションとして注目を集め続けています。誤解を恐れずに言えば、「木質材料を使った大型建築はCLTに限る」といった風潮すら形成されているように思えます。
 確かに、その工学的な材料特性や大判パネルの活用と言った点で、CLTは木質材料を用いた建築に大きなイノベーションを起こしたと言えます。その意味において、純粋に材料として見ればその可能性は今後も大きいと言えます。しかし、地域創生連携活動コンソーシアムがCLTではなく、WOOD.ALCの推進に協力する理由は、日本の国土の7割を占める山からのイノベーションを起こす上でいくつものメリットがあると考えるからです。

3. WOOD.ALCのメリット:普及促進が必要であると我々が考える理由

 WOOD.ALCは、なかなかそのイメージが伝わりにくい材料ですが、簡単に例えてしまうならば「干し板を大量にくっつけたようなもの」をイメージしていただくと、理解がしやすいと思います。外見から判断すると耐力壁のように見えますが、あくまでもカーテンウォールとして引っかけているだけなので「非耐力壁」なのです。しかし、パネルとしての強さはかなりのものですし、断熱性や美しさといった点で多くのメリットを有しています。特に重要な点は、「外に向けて現しにする」というカーテンウォールとしての特徴だと言えるでしょう。
 このようなWOOD.ALCの普及促進が必要であると地域創生連携活動コンソーシアムがWOOD.ALC西日本普及協会と共に考える理由は、簡単にまとめると次のようになります。

image01-wood-alc

  • 第1に、既存の非木造工法との共存が容易であるということです。既存の鉄骨造の集合住宅などに、カーテンウォールとして専用金具でWOOD.ALCを引っかけていくことにより、スムーズな施工が可能です。カーテンウォールとして様々な応用が可能ですが、「構造は鉄骨造+WOOD.ALCによる外壁木質化」が最も最適な組み合わせだと思われます。同時に、このような組み合わせを行うことは、既存のビル建築や鉄骨造を取り扱ってきた建築士や工務店の皆様とのスムーズなコラボレーションを可能とするだけでなく、構造計算上のメリットも大きいと言えます。構造という面でも、非木造と対立構造を生まないという点はとても重要なポイントになります。
  • 第2に、CLTの普及促進を推進する際には、「生産ラインを新設する」ということがネックとなります。既存の生産設備で作ることができないCLTを普及させるのならば、どうしても新しい生産ラインを構築することになりますが、これを林業地がどのように減価償却するのか?ということが重荷になります。ビジネスとして森林経営を考える上で、新たな設備投資をできる限り抑制することが不可欠です。このような視点から見ると、WOOD.ALCはCLTと異なり、既存の30mm厚のJAS規格の間柱を生産する設備を応用して作ることができます。つまり、生産コストを抑制しながらなお、付加価値の高い木質材料を創出するポテンシャルがあるということです。
  • 第3に、非木造構造と共存が可能であるのと同時に、それなりの木を必要とするところも林産地にとって大きなメリットがあります。一般に、WOOD.ALCは300坪の集合住宅で最低でも100m3を必要とします。木造で無いにもかかわらず、木造以上の立米の木を必要とするというところに、この工法の特徴があるのです。

 第2の理由は、様々なかたちで戦後の拡大造林期に植えられた50~70年生の木を活用することに迫られた全国の林業地にとって、大きなポイントとなると考えています。現在は、CLTを中心とした木質パネルの活用が考えられていますが、生産設備の償却やノウハウなどの点で、地域の材を使いながら地域でCLTを生産することがすぐにできるわけではありません。ならば、WOOD.ALCを「地域にとっての木質パネル入門編」のように捉え、地域の材、周辺までを含めた生産設備、木質パネルに対するノウハウを蓄積する登竜門として活用していただくことが有効だと我々は考えています。
 山からのイノベーションを起こすカギとなる地域材というものは、様々な関わる人々を繋げながらも高付加価値を持たねばなりません。WOOD.ALCは、そのようなポテンシャルを秘めたものだと言えます。ご興味のある方は、遠慮なく事務局までお尋ねください。
 資料提供やご説明は、いつでも地域創生連携活動コンソーシアム「林業地連携ラボ」において事務局のほうから行うことが可能です。遠慮なくお問い合わせください。

一般社団法人 地域創生連携活動コンソーシアム
コーディネーター 三浦逸朗
事務局長 加藤久明

 

4. 事例紹介:小国町森林組合におけるWOOD.ALC倉庫 (2017.3.25完成)

 WOOD.ALC西日本普及協会では、2016年度に試験的なWOOD.ALCによる「倉庫」を小国町に建設しました。西日本における社会実装だけでなく、木質材料が持つ様々な特性、経年劣化などのモニタリングや運用ノウハウを蓄積させる実験棟としての意味を持っています。以下に建築プロセスの写真を掲載しておりますが、「構造は鉄骨、壁はWOOD.ALC」という仕組みをご理解いただければと思います。(撮影:WOOD.ALC西日本普及協会事務局)